fabufujiのブログ~独断と偏見の歌舞伎劇評~

自分で観た歌舞伎の感想を綴っています

2021-01-01から1年間の記事一覧

南座 吉例顔見世興行 第三部 幸四郎・愛之助の『雁のたより』、『蜘蛛絲梓弦』

続いて南座顔見世第三部を観劇。やはりこちらも大入り。京都の芝居好き、熱いです。三部は幸四郎と愛之助の顔合わせ。今をときめく東西のトップ花形ががっぷり四つに組んで、素晴らしい芝居を見せてくれた。と云ってもお互い十八番をぶつけ合うと云う形では…

南座 吉例顔見世興行 第一部 壱太郎の『晒三番叟』、成駒家兄弟の『曽根崎心中』

南座一部を観劇。二部同様大入りの盛況。この部は亡き山城屋三回忌追善狂言と銘打っての上演。そうか、もう一年たったのか・・・と感慨一入。筆者が山城屋を観れたのは今から思うともう晩年だったが、幾つかの素晴らしい狂言を観る事が出来た。殊に印象深かった…

南座 吉例顔見世興行 第二部 孝太郎・隼人・芝翫の「三人吉三」、松嶋屋・芝翫の『身替座禅』

京都南座の顔見世二部を観劇。歌舞伎座より入場規制が緩く、七割位は入れていたのではないだろうか。客席は大入りの盛況。時折雪もちらつく極寒の中だったにも関わらず、流石は伝統の南座顔見世。松嶋屋に東京から芝翫と隼人が加わった形。重鎮から若手花形…

十二月大歌舞伎 松緑・七之助の「吉野山」、大和屋・松緑・七之助の『信濃路紅葉鬼揃』

歌舞伎座三部を観劇。流石大和屋、入場規制下ではあるが、大入りだった。勿論出ているのは大和屋だけでなく、松緑も七之助も出てはいる。しかしこの入りはやはり大和屋だろう。古希を過ぎた今も、大和屋の衰えぬ集客力を見せつけた感じだ。そしてまたその芝…

南座 吉例顔見世興行(写真)

南座顔見世に行って来ました。今年も無事まねき上げが上がって良かったです。 ポスターです。 一部は山城屋の追善公演。パネル展示がありました。 近年は個人的に、師走の京都が吉例になりました。歌舞伎座の初春公演とセットで年中行事です。感想はまた別項…

国立劇場十二月 文楽公演(写真)

国立劇場の文楽公演を観劇。ポスターをレトロっぽくモノクロにしてみました。 おめでとうございます。 こちらも必見ですね。 文楽の師走公演に行って来ました。満員の盛況でした。中堅・若手主体の座組で、味付けとしては若干あっさり気味でしたが、やはり「…

十二月大歌舞伎 勘九郎・右近の『男女道成寺』、菊之助・勘九郎の『ぢいさんばあさん』

歌舞伎座二部を観劇。一部程ではないが、まぁそれなりの入りと云う感じ。芝居の良さもさることながら、岳父・播磨屋を亡くした悲しみを堪えながらの菊之助の熱演には、自然と目頭が熱くなる。勘九郎にしても、祖父迄遡れば濃厚な姻戚関係にある。悲しい気持…

十二月大歌舞伎 第一部 猿之助の『新版 伊達の十役』

播磨屋が亡くなって、初めての歌舞伎座。偉大な座頭を失って、筆者は勿論だが歌舞伎座も大きな喪失感に包まれている事だろう。しかし場内には何の掲額もなかった。目出度い興行中に訃報は似つかわしくないと云う事だろうが、あれほどの役者を喪ったのだ。何…

十二月大歌舞伎(写真)

十二月大歌舞伎に行って来ました。ポスターです。 一部絵看板です。 同じく二部・三部。 一部のポスター。猿之助の政岡と弾正ですね。 播磨屋を亡くした歌舞伎座は心なしか寂し気だった様な・・・。感想はまた改めて綴ります。

播磨屋、逝く・・・(号泣)

今年の三月に倒れて以来容態が心配されていた播磨屋だったが、日本全国の歌舞伎ファンの願いも叶わず先月28日、天に召された。享年七十七歳だった。残念とも無念とも、何とも表現の仕様がない。こうやって文章を書いていても涙が出て来る。昨日の女婿菊之助…

歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎 第三部 花形勢揃いの『花競忠臣顔見勢』

歌舞伎座三部を観劇。かなりいい入りで、二部とどっこい位入っていた印象。まぁこのメンバーで入らなかったら、歌舞伎の明日はないだろう(笑)。コロナ禍で「忠臣蔵」の様な長い狂言は出せないだろうとこのブログでも書いたが、幸四郎・猿之助がそれならばと…

歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎 第二部 三津五郎追善の『寿曽我対面』、松嶋屋の『連獅子』

歌舞伎座二部を観劇。大入りと迄は行っていない様だったが、かなりの入り。やはり三津五郎の追善と、松嶋屋の史上最高齢での『連獅子』がお客を呼び寄せたのだろうか。これ位入れば、役者もやりがいがあろうと云うもの。まぁ入りが悪くてもしっかりいい芝居…

歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎 第一部 愛之助・壱太郎の『神の鳥』、高麗屋・魁春の『井伊大老』

歌舞伎座一部を観劇。国立と違い歌舞伎座はまだ入場規制が継続されている。桟敷にも人が入っていて、入りはまずまずと云ったところか。先頃来年一月からは、全エリアにおいて、間隔を空けた二席並びにすると発表があった。徐々に規制を緩めて行く方向性の様…

歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎(写真)

顔見世を観劇。ポスターです。 一部絵看板です。 同じく二部・三部。 もう七回忌ですか・・・本当に名人でした。 今年も早こんな季節になりましたか・・・ 歌舞伎座の顔見世に行って来ました。今年も十一月、早いものです。

国立劇場十一月歌舞伎公演 芝翫の「熊谷陣屋」

続いてはいよいよ「熊谷陣屋」。芝翫の次郎直実、錦之助の義経、児太郎の藤の方、橋之助の軍次、松江の景高、孝太郎の相模、鴈治郎の弥陀六と云う配役。しかも今回は筆者待望の相模と藤の方の「入り込み」から出る。これを観ずして、一体今月は他に何を観る…

国立劇場十一月歌舞伎公演 『一谷嫩軍記』より鴈治郎の「御影浜浜辺の場」

十一月国立劇場歌舞伎公演を観劇。国立は歌舞伎座に先駆けて最前列を除く全席にお客を入れている。要するにほぼ制限なし。ならば大向うも解禁かと思いきや、声出しはNG。一体いつになったら大向うが解禁されるのだろうか。歌舞伎と大向うは一体のものだと云…

国立劇場十一月歌舞伎公演 『一谷嫩軍記』(写真)

国立劇場に行って来ました。ポスターです。 橋之助の事前説明コーナーの撮影が許可されました。黒子ちゃんと2ショット。 芝翫が以前の公演で使用した制札が展示されていました。これは貴重だ。 芝翫の丸本をたっぷり堪能して来ました。感想はまた改めて綴り…

十月大歌舞伎 第二部 高麗屋の「時平の七笑」、松緑・鷹之資の『太刀盗人』

のっけから二部の感想とは全く関係ないが、音羽屋の文化勲章受章が発表された。誠に目出度い限りだ。山城屋が亡くなって以降、当代の歌舞伎役者で文化勲章受章者はいなくなっていたので、歌舞伎界にとっても大きな慶事だろう。その実力・実績からして当然の…

十月大歌舞伎 第三部 音羽屋・右近の『松竹梅湯島掛額』、芝翫・孝太郎の『喜撰』

歌舞伎座三部を観劇。入りは中々厳しいものがあった。国立と違ってまだ入場制限をしている中、玉孝は別格として、古典は入りが悪い様に思う。無論新作を作る事は大事であるし、古典も出来た時は新作だった訳なので、新しい物を作り続ける事はして行かなけれ…

国立劇場十月歌舞伎公演 梅玉の『伊勢音頭恋寝刃』

国立劇場十月歌舞伎を観劇。入場制限は撤廃されていた。国立の方が民間の歌舞伎座より積極的だ。ただ入りは満員とは行かず半分位だったろうか。国立は料金も歌舞伎座に比べ安価だし、あまり見られない場がかかる事もあるのでもっと多くの人に観て貰いたいと…

国立劇場十月歌舞伎公演(写真)

国立劇場に行って来ました。ポスターです。 師走の文楽公演。これも見逃せませんな。 妖刀青江下坂のモデル、葵下坂の展示がありました。 通し狂言はいいですね。各役者全力投球のいい舞台でした。感想はまた別項にて。

十月大歌舞伎 第一部猿之助の「小平次外伝」、松也・笑也・新悟の『俄獅子』

十月大歌舞伎が開幕。緊急事態宣言も明け、コロナ感染者も急激に減って来ている状況になっている。明るい兆しが見えて来たのだろうか。宣言が解除されたので、緩みによりまた感染者が増えて行くのかどうかは、二週間位たたないと判明しないだろう。ワクチン…

十月大歌舞伎(写真)

十月大歌舞伎に行って来ました。ポスターです。 一部の絵看板です。 同じく二部・三部 雑誌「クロワッサン」の表紙に高麗屋夫妻。こう云う歳の取り方をしたいものです。 緊急事態宣言も解除されて、いよいよいい方向に行くのでしょうか。感想はまた別項にて。

九月大歌舞伎 第三部 松嶋屋・大和屋の「四谷怪談」

歌舞伎座三部を観劇。「東文章」に続く玉孝コンビの「四谷怪談」。依然続くコロナ禍での人数制限だが、大入り満員の盛況。この二人なら人数制限が解かれた後に上演した方が松竹も儲かると思うのだが、入っても半分の入りに留まる中で敢えて上演。よく意味は…

九月大歌舞伎 第一部 成駒屋一門勢揃いの『お江戸みやげ』、梅玉・魁春・児太郎の『須磨の写絵』

歌舞伎座一部を観劇。亡き大成駒歌右衛門と先代芝翫の追善興行。成駒屋とその一門の高砂屋・加賀屋、そして親類の中村屋が勢ぞろいした凄い追善興行。現在の成駒屋の当主福助も病をおして駆けつけ、正にオールスターキャストの大追善。残念ながら大入りと云…

九月大歌舞伎 第二部 幸四郎の「盛綱陣屋」、時蔵の『女伊達』

九月大歌舞伎を観劇。九月の歌舞伎座と云えば、云わずと知れた「秀山祭」。團十郎と菊五郎でさえ二人併せての追善興行であるのに対し、大播磨・初代吉右衛門は単独での追善。もって現在の歌舞伎界における当代播磨屋の大きさを知るべしと云った感。しかし去…

九月大歌舞伎(写真) 

九月大歌舞伎を観劇。ポスターです。 一部絵看板です。 同じく二部・三部。 先代芝翫追善。当代もいい役者になりましたよ、お父さん。 大成駒。今月は成駒屋一門勢揃いです。泉下でさぞ喜んでいることでしょう。 例年なら秀山祭なのですが、播磨屋が静養中で…

国立小劇場 9月文楽公演(写真)

国立小劇場文楽公演を観劇。ポスターAです。 同じくポスターBです。 おめでたい。遅すぎたくらいです。 三部を観劇。「沼津」が千歳太夫と玉也の大熱演で、素晴らしい舞台でした。「伏見北国屋の段」の織太夫は良くなりましたね~。持ち味の謡い調子に磨きが…

八月花形歌舞伎 第三部 幸四郎の「義賢最期」、歌昇・隼人・新悟の「鞘當」、染五郎・團子の『三社祭』

今月の最後、歌舞伎座第三部を観劇。平日と云う事もあってか、入りは一部程ではなかった。しかしこの三部を見逃した歌舞伎愛好家は間違いなく損をしている。そう断言出来る凄い芝居を観た。幸四郎の「義賢最期」である。これは筆者の様に、時間となけなしの…

南座 坂東玉三郎 特別舞踊公演 大和屋と成駒屋三兄弟の『鶴亀』、『日本振袖始』

暑さとコロナ真っ盛りに京都遠征。今日の状況的に如何なものかとは我ながら思うが、ワクチンは二回接種したし、普段は全く外遊びもしない(観劇は例外)ので、まぁ許されるかと勝手な理屈で南座の大和屋舞踊公演を観劇。当然の様に京都も制限下だが、ほぼ満員…