fabufujiのブログ~独断と偏見の歌舞伎劇評~

自分で観た歌舞伎の感想を綴っています

2018-01-01から1年間の記事一覧

私が観た平成三十年歌舞伎 ベスト10

今年私が観た歌舞伎の中で、高麗屋襲名狂言以外の独断と偏見に満ちたTOP10をあげて行く。順位はあまりこだわりがないが、この10本と云う感じで。 まず10位 二月大歌舞伎より『暫』 海老蔵はあまり歌舞伎座に出ないので観る機会は少ないのだが、今年ではこれ…

私的 平成三十年歌舞伎 高麗屋三代襲名の一年

今年も時間と財政の許す限り歌舞伎を観てきた。その総括をしたい。 今年は何と云っても高麗屋三代襲名の一年だった。歌舞伎座に始まり、御園座、博多座、大阪松竹座、南座と、私は全公演を観劇する事が出来た。襲名演目は下記になる。 一月歌舞伎座 『菅原伝…

国立劇場十二月 通し狂言 増補双級巴 播磨屋の五右衛門

今年最後の歌舞伎観劇。国立劇場の播磨屋の五右衛門。その感想を綴る。 筆者は初めて観る狂言。そりゃそうだろう。70年ぶりとか90年ぶりとか50年ぶりとか云っているのだから。古希を過ぎてこう云う発掘狂言に挑む播磨屋のその精神が、まず素晴らしい。3時間…

国立小劇場 12月文楽鑑賞教室 団子売 菅原伝授手習鑑 写真

国立小劇場の文楽公演に行って来ました。 一度大阪の国立文楽劇場にも行ってみたいのですが。 二月公演。行くつもりです。 千歳大夫、良かったです。最近の文楽は、歌舞伎で取り上げた演目をすぐやる傾向にありますね。「夏祭り」、「増補忠臣蔵」、そして二…

国立劇場十二月 通し狂言 増補双級巴 写真

国立劇場に行って来ました。ポスターです。 お馴染みマスコット人形。五右衛門です。 先月の歌舞伎座夜の部のチケットと、併せて持って行くと貰えた播磨屋の写真です。 今年最後の歌舞伎観劇。播磨屋の至芸を堪能して来ました。感想はまた別項で。

十二月大歌舞伎 大和屋の「阿古屋」

十二月大歌舞伎夜の部を観劇。その感想を綴る。 大和屋と云えば「阿古屋」、「阿古屋」と云えば大和屋。六代目歌右衛門から直接うつされ、その正統な後継者たる地位を不動にした名狂言。大和屋と同時代に生きて、これを観ない手はない。もしかしたら歌舞伎座…

十二月大歌舞伎 夜の部 写真

十二月大歌舞伎夜の部に行って来ました。 夜の部のポスターです。 絵看板です。 大和屋の「阿古屋」を堪能。感想はまた別項で。

平成中村座 十一月大歌舞伎 勘九郎の『実盛物語』扇雀・七之助の『狐狸狐狸ばなし』

平成中村座昼の部を観劇。その感想を綴る。 幕開きは『実盛物語』。勘九郎の実盛に亀蔵の瀬尾、児太郎の小万、新悟の葵御前。太郎吉を中村屋次男長三郎がつとめる。勘九郎が実にいい実盛で、颯爽とした正に捌き役。小万の腕を切り落としたいきさつを語る物語…

平成中村座 十一月大歌舞伎 写真

平成中村座昼の部に行って来ました。 入口です。 なんであなたの追善をやらなきゃいけないのですか。中村屋・・・ うららかな小春日和の日でした。感想はまた別項で綴ります。

十一月 京都四條南座 吉例顔見世興行 昼の部 高麗屋父子の『連獅子』 、白鸚の『御存 鈴ヶ森』

続いて昼の部を綴る。 幕開きは『毛抜』。成田屋の家の芸である歌舞伎十八番なのだが、二代目左團次が復活上演した高島屋所縁の狂言。左團次の粂寺弾正、当然ながら素晴らしい。左團次の弾正は荒事味と云うよりは、腰元や若衆と戯れる時に見せる愛嬌に特徴が…

十一月 京都四條南座 吉例顔見世興行 夜の部 高麗屋の『勧進帳』

南座新開場高麗屋襲名披露を観劇。まず夜の部から。 幕開きは『寿曽我対面』。松嶋屋の工藤、愛之助の五郎、孝太郎の十郎、秀太郎の舞鶴、吉弥の大磯の虎、壱太郎の化粧坂少将と役者が揃った実に結構な「対面」。松嶋屋は流石に貫禄たっぷり。やはり工藤は座…

十一月 京都四條南座 吉例顔見世興行 写真

京都南座新開場記念、高麗屋襲名披露に行って来ました。 ポスターの撮影は禁止されていたので、モニターです。 襲名祝幕です。 四條大橋から。高麗屋襲名を寿ぐかの様に、虹が架かっていました。 いや~素晴らしい襲名披露興行でした。感想はまた別項で。

歌舞伎座十一月 吉例顔見世大歌舞伎 音羽屋と時蔵の『十六夜清心』

続いて昼の部の感想を綴る。 幕開きは『お江戸みやげ』。時蔵も又五郎も好演だが、今一つ盛り上がらない。梅枝の栄紫もふにゃふにゃしていて、お辻が憧れる様な役者に見えないのもいただけない。この芝居は先代芝翫と富十郎の名演が目に焼き付いているからだ…

歌舞伎座十一月 吉例顔見世大歌舞伎 播磨屋、音羽屋の『楼門五三桐』猿之助の『法界坊』

歌舞伎座まず夜の部の感想を綴る。 幕開きは『楼門五三桐』。播磨屋の五右衛門、音羽屋の久吉の黄金コンビ。流石に播磨屋は大きい。15分程度の狂言だし、筋もあってなきが如しなので完全に役者ぶりだけを見せるもの。この大きさは若い役者には出せない。70年…

歌舞伎座十一月 吉例顔見世大歌舞伎 写真

十一月歌舞伎座行って来ました。ポスターです。 音羽屋ポスター。いや~良かった。 五右衛門の播磨屋。貫禄たっぷり。 澤瀉屋の『法界坊』。こちらも楽しめました。 感想はまた別項で綴ります。

国立劇場 11月歌舞伎公演『通し狂言 名高大岡越前裁』

国立劇場、梅玉の大岡越前を観劇。その感想を綴る。 黙阿弥の原作を国立劇場文芸委員会が補綴したもの。筆者は初めて観る狂言。しかし全体的に盛り上がらない。序幕「紀州平沢村お三住居の場」、「紀州加田の浦の場」は右團次の法沢が世話の味を出せておらず…

国立劇場 11月歌舞伎公演『通し狂言 名高大岡越前裁』 写真

国立劇場に行って来ました。 越前守人形です。 12月の文楽公演にも行く予定です。『寺子屋』楽しみです。 初日に行って来ました。感想はまた別項で。

ポール・マッカートニー 東京ドーム コンサート

ポール・マッカートニーのライヴに行って来ました。 「Let It Be」では会場ペンライトで幻想的でした。 白鸚、菊五郎と同じ76歳。シルエットは若い。 歌舞伎とは全く関係ないのですが、まぁこの方のライヴはセットも段取りも毎回ほぼ同じ。ほとんど英国の伝…

国立劇場十月 通し狂言『平家女護島』

芝翫が俊寛と清盛の二役を演じた『平家女護島』を観劇。その感想を綴る。 結論から云うと素晴らしかった。筆者としては今年3度目の俊寛観劇だが、先月観た播磨屋を凌駕し、松嶋屋におさおさ劣らない凄い俊寛だった。 まず何より素晴らしいのはその濃厚な義太…

国立劇場十月 『通し狂言 平家女護島』 写真

国立劇場行って来ました。ポスターです。 来月、再来月の国立劇場。何と播磨屋の宙乗りがあるそうです。 俊寛人形がありました。非売品です。 素晴らしい舞台でした。感想はまた別項で。

芸術祭十月大歌舞伎 中村屋兄弟の奮闘『三人吉三巴白浪』『大江山酒呑童子』『吉野山』

十月大歌舞伎、中村屋兄弟奮闘劇の感想を綴る。 まず昼の部『三人吉三巴白浪』。七之助のお嬢、巳之助のお坊、獅童の和尚と云う配役。素晴らしい組み合わせではあるのだが、観る前から不安に思っていた事が的中してしまった。七之助のお嬢が花道から出てきた…

芸術祭十月大歌舞伎 松嶋屋の『助六』

続いて夜の部『助六曲輪初花桜』の感想を綴る。 またまた松嶋屋がやってくれました。襲名以来20年ぶりとなる歌舞伎座での『助六』。今の松嶋屋に助六はどうなのだろうと思っていたのだが、いやいやどうして素晴らしかった。もう花道を出てきた時から歌舞伎座…

芸術祭十月大歌舞伎 白鸚の『佐倉義民伝』

まず昼の部『佐倉義民伝』の感想を綴る。 勘三郎が演じていた芝居を現役の役者が演じる追善興行。大看板白鸚は『佐倉義民伝』を出してきた。両優に被る狂言としては『髪結新三』の方が派手で客受けもいいと思うが、この地味な狂言を敢えてぶつけてきたところ…

芸術祭十月大歌舞伎 写真その2

宗吾様が歌舞伎座ロビーに。 白鸚は身体健全を、松竹と歌舞伎座は興行安全を祈祷。 夜の部絵看板。 昼の部絵看板。 白鸚・仁左衛門・玉三郎の大看板が揃い、中村屋兄弟が1月以来の歌舞伎座での共演。充実の十月公演でした。感想はまた別項で。

芸術祭十月大歌舞伎 写真

十月大歌舞伎に行って来ました。 今月は勘三郎の追善興行。もう6年かぁ。中村屋・・・ 今月の演目を演じている中村屋のパネルがありました。

秀山祭九月大歌舞伎 播磨屋の『河内山』『俊寛』大和屋の『幽玄』

九月の播磨屋と大和屋について、その感想を綴る。 まず昼の部『河内山』。播磨屋が何度も手掛けている十八番。「上州屋質見世」からやってくれているのがいい。ここがないと話しが見えづらいからだ。何と云う場でもないからカットされる事も多いのだが、播磨…

秀山祭九月大歌舞伎 幸四郎の『鬼揃紅葉狩』と『松寿操り三番叟』

続いて幸四郎の舞踊二曲『鬼揃紅葉狩』と『松寿操り三番叟』の感想を綴る。 筆者は歌舞伎座に始まり、名古屋・博多・大阪と高麗屋の襲名を追いかけて観てきている。以前にも書いたが、その過程での幸四郎の芸の進境は著しいものがある。元々踊りの上手い優だ…

九月秀山祭大歌舞伎 福助復帰の『金閣寺』

九月秀山祭を昼夜通しで観劇。筆者個人的に今月の眼目、福助5年ぶりの復帰舞台。秀山祭で福助が観れるとは、とひたすら感激。その所感を綴る。 幕開きの『金閣寺』。これが観たくて駆けつけた福助の復帰である。本来なら雪姫での復帰が観たかったが、贅沢は…

秀山祭九月大歌舞伎 写真

秀山祭に行って来ました。ポスターです。福助に涙・・・ 豪華顔合わせ、正にその通り。 昼の部絵看板です。 夜の部絵看板です。 昼夜堪能して来ました。去年の秀山祭でも感じたけど、客の入りが今ひとつでしたね。感想はまた別項で。

9月文楽公演 国立小劇場 『良弁杉由来』 『増補忠臣蔵』

国立小劇場の文楽公演に行って来ました。 北海道地震への募金を文楽人形がお願い。ささやかに募金せさて頂きました。 来月の国立劇場歌舞伎公演はこれ。駆けつけますよ、成駒屋。 吉田和生の人形遣いは名人芸ですね。僅かな動きで役の心情を表現している。ガ…