fabufujiのブログ~独断と偏見の歌舞伎劇評~

自分で観た歌舞伎の感想を綴っています

2018-01-01から1年間の記事一覧

新橋演舞場 芝翫の『オセロー』

新橋演舞場の『オセロー』を観て来ました。 ほぼ満席状態で、盛況でしたね。 壇れい饅頭。思わず買いそうになり、あやうく踏みとどまる。 いや~大変素晴らしかった。私はシェイクスピアは専門外で、これが正しい『オセロー』なのかは判りませんが、芝翫が圧…

八月納涼歌舞伎 第一部 扇雀の『花魁草』・高麗屋父子の『龍虎』・七之助、獅童の『心中月夜星野屋』

八月第一部の感想を綴る。 まず北條秀司作『花魁草』で幕開き。筆者は初めて観る狂言だが、流石北條作品、いい芝居だった。安政の大地震で江戸から逃れた花魁と役者の悲恋物語だ。扇雀のお蝶がいい。人を殺した前科があり、それ故に役者幸太郎の将来を思って…

八月納涼歌舞伎 第三部 幸四郎・獅童・七之助の『盟三五大切』 その二

『盟三五大切』感想の続き。 第二幕第一場「二軒茶屋の場」。伊勢屋座敷で亀蔵の伴右衛門が小万の身請け話をしているところに、三五郎に伴われて源五兵衛がやってくる。実は伴右衛門も三五郎も周りにいる判人長八も伊之助も全員グルで、源五兵衛から小万の身…

八月納涼歌舞伎 第三部 幸四郎・獅童・七之助の『盟三五大切』 その一

第三部は通し狂言『盟三五大切』。全三部の中で最高の見物だった。その感想を綴る。 まず何より思ったのは、原作がとても優れた歌舞伎劇であると云う事。流石大南北、その作劇の上手さに改めて唸らされた。これは『仮名手本忠臣蔵』の外伝となっており、『四…

八月納涼歌舞伎 第二部  幸四郎・猿之助の『東海道中膝栗毛』

八月歌舞伎座第二部を観劇、その感想を綴る。 まず『東海道中膝栗毛』。2年前から大入りを続ける夏の当たり狂言。筆者は実はシネマ歌舞伎でしか観た事がなく、歌舞伎座での観劇は今回が初めて。八月のチケットもこの二部が早々にソールドアウトになっており…

八月納涼歌舞伎 写真

八月納涼歌舞伎に行って来ました。 一部の絵看板です。 二部・三部の絵看板です。 感想はまた別項で綴ります。

第四回 双蝶会 国立小劇場 感想

歌昇と種之助の勉強会「双蝶会」を観劇。その感想を綴る。 まず『義経千本桜』から「川連法眼館の場」。狐忠信を種之助が演じる。幕開きでまず本物の忠信が出てくる。これが意外と云っては失礼だが中々良い。刀の下緒の捌き方なども堂に入っており、初役とし…

「第四回 双蝶会」 写真

国立小劇場「双蝶会」に行って来ました。 歌昇の関兵衛羽子板 種之助の源九郎狐羽子板 劇評家の渡辺保さんのお姿も見かけました。感想はまた別項で。

七月大歌舞伎 大阪松竹 幸四郎の『女殺油地獄』

続いて夜の部『女殺油地獄』の感想を綴る。 松嶋屋の監修による「油地獄」。これがまた素晴らしかった。松嶋屋のやり方をなぞっているが、幸四郎の与兵衛としてきっちり練り上げられている。ニンとしても幸四郎に合っており、松嶋屋がさよなら公演で一世一代…

七月大歌舞伎 大阪松竹 幸四郎の弁慶

昼の部『勧進帳』の感想を綴る。 今年の一月歌舞伎座から始まった高麗屋襲名披露だが、名古屋・博多・大阪と追っかけの様について回っている。その過程で確かに感じたのは、新幸四郎の進境の著しさである。先月の『伊達の十役』も素晴らしかったが、今回は一…

七月大歌舞伎 大阪松竹 白鸚と仁左衛門の名人芸 

大阪松竹での高麗屋襲名を昼夜観劇。とにかく幸四郎が素晴らしかったので、まずそれ以外の狂言の感想を綴る。 『廓三番叟』で幕開き。襲名に相応しい華やかな舞踊で、舞台を盛り上げる。孝太郎が先輩の貫禄十分な千歳太夫。壱太郎もここにきてメキメキ腕を上…

七月大歌舞伎 大阪松竹 写真その2

大阪松竹入り口正面にビュッフェの『暫』が。 高麗屋三代の隈取とサインも。 襲名記念写真展。若い時の白鸚、当たり前だけどめちゃイケメンですね。 『勧進帳』のポスター。いや~いい弁慶でした。 昼夜通しで観劇。感想はまた別項で。

七月大歌舞伎 大阪松竹 写真

大阪松竹の高麗屋襲名公演を観て来ました。しかし暑かった・・・ ポスターです。 山崎パンからの祝い幕。 河内山。いや~カッコよかった。

松竹大歌舞伎 東コース

公文協巡業東コースの初日を観劇。その感想を綴る。 まず『近江のお兼』。成田屋の変化舞踊で、六代目も手掛けた踊りに梅枝が初役で挑む。先にお父つぁんの時蔵も『女伊達』を歌舞伎座で踊ったが、同趣向の作品。梅枝は先に書いたが、若手女形ではNO.1だと個…

六月大歌舞伎 夜の部

続いて夜の部の感想を綴る。 まず『夏祭浪花鑑』。吉右衛門の団七九郎兵衛、雀右衛門のお辰、菊之助のお梶、歌六の三婦、錦之助の一寸徳兵衛、橘三郎の義平次、東蔵のおつぎと云う豪華配役。これで悪かろうはずがない。 後先考えずに云えば、橘三郎の義平次…

六月大歌舞伎 昼の部

六月大歌舞伎を昼夜観劇。まず昼の部から。 『三笠山御殿』で幕開き。まず楽善の入鹿が、いかにも公家悪らしい大きさと貫禄を出していて、いいオープニング。彦三郎の玄蕃と亀蔵の弥藤次は声の通りがいい優なので、二人の科白はまるで心地よいコーラスを聴い…

六月大歌舞伎 写真

六月大歌舞伎に行って来ました。ポスターです。 お約束の絵看板。昼の部です。 同じくこちらは夜の部。 『巷談宵宮雨』良かったなぁ。感想はまた別項で。

六月博多座大歌舞伎 夜の部 高麗屋父子の至芸

続いて残る二演目。 口上の後、白鸚による『魚屋宗五郎』。近年の白鸚は世話物に力を入れているが、その一つの回答とも云うべき素晴らしい出来。 筆者は今まで『魚屋宗五郎』は役者の酔態を見せるだけの芝居と思っていて、黙阿弥 作品の中ではあまり好きでは…

六月博多座大歌舞伎 夜の部 仁左衛門の『俊寛』

夜の部の感想を綴る。 通し狂言だった昼の部から一転、松嶋屋の『俊寛』・白鸚の『魚屋宗五郎』・幸四郎の『春興鏡獅子』と豪華演目がずらりと並んだ贅沢な夜の部となった。 まず『俊寛』。これが播磨屋とも高麗屋とも違う独特の俊寛で、素晴らしい。仁左衛…

六月博多座大歌舞伎 幸四郎の『伊達の十役』

六月博多座昼の部、新幸四郎襲名狂言『伊達の十役』の感想を綴る。 結論から云うと、素晴らしかった。十役の内、幸四郎のニンに合っているのはまず細川勝元、次いで足利頼兼だと思うが、この二役は流石に鉄板。頼兼の気品、そして颯爽たる捌きぶりを見せてく…

六月博多座大歌舞伎  写真その2

博多座近くの民芸館に、役者の手形がありました。その他将棋の羽生さんなども。 祝い幕です。 歌舞伎座ギャラリーから幸四郎の松王が出張して来ていました。 博多座内には『暫』人形も。 博多座は初めてだったのですが、歌舞伎座よりコンパクトでとてもいい…

六月博多座大歌舞伎  写真その1

博多座での高麗屋襲名披露公演を観劇。縦長ポスターがありました。 博多座には動画パネルがありました。 商店街のいたる所に幟が。街ぐるみで盛り上げてくれています。 映画館に掲出されていたポスター。ついでにシネマ歌舞伎も観て来ました。

團菊祭五月大歌舞伎 昼の部 『雷神不動北山櫻』と市川海老蔵と云う役者 その3

この項では、海老蔵の成田屋当主としての視点について綴ってみたい。 白鸚がかつて、「歌舞伎の職人になるのが真の歌舞伎役者だ」と云う趣旨の発言をしていた。その影響か、幸四郎も襲名の口上で「歌舞伎職人を目指します」と云っていた。事実白鸚の芸は既に…

團菊祭五月大歌舞伎 昼の部 『雷神不動北山櫻』と市川海老蔵と云う役者 その2

十一代目市川海老蔵、成田屋。まぎれもなく現代で最も著名であり、最も客が呼べる歌舞伎役者である。そのブログには膨大にフォロワーがおり、その一挙手一投足に注目が集まる役者と云っても過言ではあるまい。 海老蔵は5年前に父十二代目團十郎を若くして亡…

團菊祭五月大歌舞伎 昼の部 『雷神不動北山櫻』と市川海老蔵と云う役者

昼の部を観劇。その感想と云うか、『雷神不動北山櫻』を観て改めて市川海老蔵と云う歌舞伎役者について考えた事を、少し長くなりそうなので、回を分けて綴ってみたい。 鳴神上人、粂寺弾正、早雲王子、安倍清行、不動明王と云う五役を兼ねる海老蔵の大奮闘狂…

團菊祭五月大歌舞伎 昼の部 写真

昼の部を観劇。もう5年たったのかと。成田屋・・・ 成田山新勝寺の出開帳がありました。 昼の部ポスター。五役で海老蔵大奮闘。 名題披露。まずはめでたい。 感想はまた別項で。

團菊祭五月大歌舞伎 夜の部 『菊畑』と『喜撰』

続いて夜の部の残り2演目。 まず『鬼一法眼三略巻』。松緑の智恵内に團蔵の鬼一法眼、時蔵の虎蔵実は牛若丸、児太郎の皆鶴姫と云う配役。まず團蔵の鬼一法眼が花道を出てきたところ、菊畑を見て回る姿、貫禄充分でこれはいい法眼だと思ったのだが、科白にな…

團菊祭五月大歌舞伎 夜の部 音羽屋の弁天

初日に観劇。その感想を綴る。 最初の狂言は『弁天娘女男白浪』。云わずと知れた音羽屋の家の芸であり、当代菊五郎も襲名以来何度も演じてきた十八番中の十八番。当然の事ながら、素晴らしい。 近年は立役ばかりの菊五郎だが、まず花道の出から身体が娘にな…

團菊祭五月大歌舞伎 夜の部 写真

團菊祭の初日夜の部を観劇。ポスターです。 粋だね、鯔背だね、音羽屋!ロビーには愛娘寺島しのぶさんの姿も。 鳥居清光さんの絵看板。感想はまた別項で。

四月大歌舞伎 夜の部

先月は御園座の高麗屋襲名になけなしの金をつぎ込んでしまい、歌舞伎座の昼夜どちらにしようか迷ったが、『絵本合法衢』は観た事がない狂言だし、松嶋屋が一世一代と銘うっている以上行かない訳にはいかない。泣く泣く昼の部を断念。その感想を綴る。 まず序…