fabufujiのブログ~独断と偏見の歌舞伎劇評~

自分で観た歌舞伎の感想を綴っています

相変わらず自粛が続く歌舞伎公演

五月も後半にさしかかった。首都圏以外の地域は緊急事態宣言が解除された。徐々にではあるが経済活動が再開されて行っているのは、喜ばしい事だ。首都圏の解除も25日に判断すると首相が発表した。しかし昨日の東京都の感染者は再び二桁になった様だし、神奈川は更に多い。この状態で解除が出来るのだろうか。仮に解除しても、第二波の怖れなしとは云えない状況だろう。

 

当然の様に歌舞伎の全公演は七月迄中止。楽しみにしていた大阪松竹も中止となってしまった。高麗屋音羽屋、松嶋屋播磨屋と、高齢の名人が多い歌舞伎界。花形の名演にはこれから幾度も接する事が出来るだろうが、大幹部はそうではない。平均寿命が延びている昨今とは云え、今の様な元気さでこの先10年舞台に立てようとは思えない。その機会が一回一回失われて行っているのは、痛恨事と云えるだろう。

 

五輪も、来年開催出来なければ中止と云う話しも出てきた様だ。我が国は諸外国に比べて実に上手くコロナを抑え込んでいるが、やはり来日客が危険だ。コロナにかこつけて政権批判している人々がいる様だが、欧米諸国に比べ二桁も感染者・死亡者共に少ない我が国は、その律儀な国民性と、政府の指導宜しきを得て踏みとどまっていると云うのが、客観的な数字に表れていると見るべきだと思う。消費税を倍に引き上げるなど、筆者は必ずしも現政権の全てが正しいとは思わないが、ことコロナに関しては未曽有の事態に良く対処出来ていると、客観的に思う。

 

緊急事態宣言が解除されたとして、それが即歌舞伎公演再開に繋がるかと云えは、難しいところだろう。歌舞伎座に限らず芝居小屋と云うのは、「三密」の典型的な空間であろうから。特に観客の平均年齢の高い歌舞伎公演は難しい。松竹の万全な対処を願いたいものだ。

 

歌舞伎公演が観れなくなって、既に三か月。禁断症状も末期的な様相を呈してきている。自宅でDVDを観てはいるが、やはり歌舞伎は生で観たい。録り溜めて観ていなかった録画か観れるのはいい事ではあるのだが。

 

とにかく、劇場に於ける感染予防には万全を尽くして頂き、八月の花形歌舞伎が無事見物出来る事を切に願っている次第。徐々にその傾向が見えつつある「ゆるみ」だけは気を付けなければならないと、自らを戒めている昨今である。